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ブランド買取専門店の内緒のはなし

HERMES(エルメス)が歩む歴史と始まりの年間テーマ「花火」

2018年10月30日

エルメスでは毎年、その年のテーマ「年間テーマ」が設定されているのをご存知ですか?
1837年、バス・デュ・ランパールに馬具用品の工房がティエリ・エルメスによって創業されました。これがHERMESの創業です。
その年から150年後の1987年、エルメスの創業150年を祝ってセーヌ川には色とりどりの花火が打ち上げられたと言います。そしてその花火を見た当時の社長、5代目ジャン・ルイ・デュマ・エルメス。

 

エルメス屋上 花火師

人々の心を集める何かを作ろう。人々の心を感動させ、エルメスを知ってもらう何かを

 

そうして5代目社長ジャン・ルイ・デュマ・エルメスによって「年間テーマ」が産まれました。
この年1987年の年間テーマは勿論「花火」です。

 

 

HERMESにとっての「年間テーマ」

エルメスという大きなブランドカラー・イメージの他に年間テーマを設ける事によって、その年にしか生まれないカラーやイメージを数多く誕生させています。

エルメスにとって「年間テーマ」とは
【新しいカラーを生み出す為の重要なモノ】
決して発想や着想を縛るものではなく、むしろ広げるために作られたヒントなのです。

エルメスは企業を太らせるのではなく成長させていきたいと願っていました。
しかし上に向かって縦に成長させていくには膨大なエネルギーが必要です。
その為には何か目的があった方が良い、その方がその為の力が集まりやすい、一つ一つの力は小さくてもそれらが団結した力は強大なものになるはずだ。

それがエルメスにとっての「テーマ」なのです。

 

 

初の年間テーマ「花火」

 

1987カレ~花火

エルメスに初めて生まれた年間テーマ、最初のテーマは「花火」でした。

一瞬に生まれる大きなパワー
一瞬で消える儚さ

力強いのにエレガントな「花火」はデュマのインスピレーションを刺激するには十分でした。
かねてから願っていたエルメスを縦に成長させるためのパワー、
パワーはある一定のラインを超えた時、美しく空を輝かせ、更なるパワーを呼び覚ますに違いない。
まさしく「花火」はこの年【HERMESはここにいる】とそれを知らしめるにピッタリで
パワーとエレガントを持った、エルメス誕生150周年を祝い、エルメス初の年間テーマとするにふさわしいモノでした。
この年は花火をテーマとしたデザインのスカーフや洋服などが沢山発表されています。

 

エルメスのウィンドー「HERMES劇場」

 

パリのフォーブル・サントノ-レに鎮座するエルメス本店のウィンドウディスプレー。
勿論、日本の銀座にあるエルメスのウィンドウディスプレーもそうですが
エルメスにとってウィンドディスプレーは特別な意味を持っています。
当時商品を陳列するだけだったウィンドウ。
手袋担当だったアニー・ボーメルはただ並べるだけであったこの陳列に苦言を呈し、手袋を飾る陳列に変えたのです。これが当時の社長3代目社長エミール・モーリス・エルメスの目に留まりエルメス専任の装飾デザイナーとなったアニー・ボメール。これが後に「HERMES劇場」と呼ばれる彼女による最初の作品なのです。
彼女の自由な創造力で「ディスプレー芸術その物が変えられた」とさえ言われています。

 

そんなエルメスのウィンドウディスプレー。
勿論この小さな劇場も毎年のテーマに沿って様々な表情を魅せてくれます。
「花火」をモチーフにしたものが沢山飾られました。

 

 

花火師

この年、「花火」に沿ってデザインされたアイテムは沢山あるのですが有名なのは【カレ】
これにデザインされているのが馬に跨った馬上の花火師です。
このデザインはカレ以外にTシャツ等にも使われています。

 

花火師 モチーフ

ちなみにこのTシャツ、海島綿とういう素材で作られているのですが「海島綿」ご存知ですか?
海島綿=かいとうめんと読みます。
カリブ海に浮かぶ西インド諸島、バルバドス・ネービス・ジャマイカ・アンティグア・ベリーズ。
限られたこの5つの地域でのみ現在も生き続けているこの世で最も優れていると言われている綿の一つです。
このたぐい稀なコットンはそのシルクのような光沢とカシミヤのような肌さわりから英国王室御用達とされてきました。かつては同じ重さの金と同等の価値を与えられていたそうです。
流石はエルメス、使用する素材へのこだわりは昔も今も変わりません。

さらにこの花火師、現在では花火をその季節や時候のカレに持ち替えてパリ、フォーブル・サントノーレ店 / ニューヨーク、マディソン店 /ソウル・ドサンパーク店、 そしてなんと東京、銀座店のエルメスビル屋上に今現在も司られています。

2006年銀座メゾンエルメス、リニューアル工事の際閉鎖中のフォーラムで開催された「天上のシェリー」西野達展。
この時西野達×花火師のコラボレーションが展示され注目を浴びたようです。

 

西野達 花火師

この花火師はエルメスの象徴として、今でも大切に繰り返し使用されています。
花火師モチーフ、一つは持っておきたいアイテムです。

 

まとめ

年間テーマ最初の「花火」について書いてきましたがいかがでしたか?
この年から毎年設定されている「テーマ」
歴史の長いエルメスだからこそ深いブランド理念や乗り越えてきた壁、迷い進んできた道その全てに意味があり価値があるんですね。
一つ一つの「テーマ」についてまた書きたいと思います。
始まりの「花火」見つけたらラッキーかもしれません、是非意識して探してみて下さいね。

 

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