カルティエ パンテール 時計買取

カルティエの時計といえば、動物のデザインや、豹というイメージを持っている方も少なくないかも知れません。

カルティエのシンボルのようなこの豹＝パンテールは、1914年に初めてジュエリーとして登場しました。インパクト、存在感は圧倒的であり。気高くエレガントなパンテール。ジュエリーではブレスレットやイヤリング、ネックレスなどなど、その他ウォッチのコレクションも高い人気を誇り、更に女性から根強い支持を受けています。

パンテールというデザインが生まれた歴史として外せない人物こそ、カルティエのハイジュエリー部門責任者だったジャンヌ・トゥーサンです。彼女は若い頃から個性的な服、細身で行動が早く活発、そして鋭く光る瞳からパンテール（豹）という愛称で呼ばれていました。

彼女が30歳の時、初恋の相手が別の女性と結婚するからと最後に贈られたプレゼントが、ダイヤモンドとオニキスのパンテールの装飾がされたヴァニティケースとシガレットケースでした。そして仕事上のパートナーであったルイ・カルティエと恋仲になった彼女でしたが、家柄の関係から結婚することはできませんでした。

しかしカルティエが病で床に伏したとき、ハイジュエリー部門の責任者に任命され、カルティエが亡くなったのち、カルティエを象徴する作品を生み出すことへ没頭し始めます。そのヒントとなったのが、1914年にルイ・カルティエが見せてくれたデッサン「貴婦人とパンテール」。更に第二次世界大戦が終わり女性の社会進出が顕著になり始めた時代、強くなった女性たちと躍動感あふれるパンテールは、まさに時代にマッチしたデザインだったといえます。

1983年に登場し、不動の人気を誇り、伝説のウォッチと呼ばれ一世を風靡した「パンテール　ドゥ　カルティエ」。官能性と緊張感のあるデザインにより伝説的人気を誇りました。キャッチコピーは、ジュエリーとすての存在意義が第一、時計としての存在意義は二番目である、としている。つまり、ジュエリーのような美しさは保ちながらも時計としての機能を備えている、ということでしょう。

誕生以来、絶対的な人気を誇っていたフェミニンウォッチ「パンテール ドゥ カルティエ」でしたが、サントスシリーズが大幅リニューアルを行った際、「サントス100」にデザインが似ているということからディスコンとなりました。しかしそれ以降もモデルの人気が衰えることはなく、多くの復活を希望する声に合わせ、2017年にカムバックを果たしました。ダイヤやゴールドが繊細で美しく気品のあるデザインに仕上げ、女性らしいエレガントかつ官能的な魅力を引き立てます。

2012年に登場した「プロムナード デュヌ パンテール」はジュエリーウォッチの真骨頂カルティエだけあって、ため息の出るような逸品として優黙を集めました。一般的には自動巻きのローターは裏にあるものですが、それをあえて文字盤の前面に配置し、更にそれ自体を「パンテール」モチーフにしてしまいました。腕の動きにつれ、くるくると回るパンテールは目に見て楽しく、まるで文字盤の上を歩き回っているようです。

2015年に出た新しいモデルは、カルティエ独自のコンプリケーション「デイ/ナイト」機能を持つムーブメントを採用し、文字盤に三頭のパンテールが天体の動きを見つめる様子を描いた「レーヴ ドゥ パンテール ウォッチ デイ/ナイト コンプリケーション」。今回になり初めて群れとして描かれたパンテール。見上げる空は太陽と月が交互に現れ時を告げてくれます。ケース、ダイアルには無数のダイヤモンドが瀬戸され、まばゆい輝きはタイムピースの幻想性をより一層深めてくれます。

2017年６月に登場するモデルは全てで17型。ジュエルのないモデルでさえも相当な美しさは評価されていましたが、ブリリアンカットダイヤモンドをあしらったモデルも登場しました。他にもゴールドやスティール素材といったシンプルさで洗練されたもの、ブラックやゴールドのスクエアが並んだ、幾何学的なデザインなど。幅広い展開を予定しています。

ディテールは滑らかな曲線美が、豹の首から尾にかけたしなやかさを表しています。流行に左右されずに、長期で使用し楽しめるアイテムです。