トリニティ買取

諸説ありますが、1924年、宝石細工師であり、ジュエリーデザイナーであったルイ・カルティエにフランスの詩人であるジャン・コクトーから大切な友人の２０歳の誕生日のために『 この世にないリングを作って欲しい 』という依頼をうけ試行錯誤ののちに誕生したのがトリニティです。ジャン・コクトーは完成した美しい指輪を見て、感激のあまりルイ・カルティエに『 巧妙なる魔法使い、カルティエは、太陽の光をつむいだ糸の上につきをかけらにして載せる 』と、なんとも詩人らしい詩を贈ったと言われています。ジャン・コクトーはトリニティリングを自身の一部のように身につけ、時には三連のリングを2つ重ね付けしていたこともあるほど、愛しつづけました。トリニティリングといえばコクトーというイメージが広まったことによりこの指輪がカルト的な存在となったとも言われています。また、トリニティはリングだけでなく、ピアス、ネックレス、ブレスレットなど様々な種類で展開されており、リングと同様に人気があります。カルティエは1847年創設から、優れた宝石職人が才能を捧げ、気品が漂いながらも斬新なデザインを発信してきました。1800年代のヨーロッパは“アールヌーヴォースタイル”が一世風靡していました。アールヌーヴォースタイルとは、柔らかで流れるような曲線を特徴とし、ジュエリーデザインでは、花、草、昆虫などの自然界で見えるものをモチーフとし作られていました。また、宝石そのものや、宝石細工がこれまでは最も重要視されていたのですが、デザイン重視の芸術を意識したジュエリーでした。しかしながら、カルティエはこのスタイルを好まなかったため、フランスやイスラム、東洋などの古美術を集め独自で研究を重ね、”ガーランドスタイル”という新しいスタイルを創案しました。このガーランドスタイルは、プラチナを使用していることと、はっきりとしたラインと対照的な構成が特徴的でした。世界で最も早くプラチナをジュエリーとして採用したのもカルティエです。このスタイルは、”アールデコ・スタイル”という幾何学的でシンメトリーのデザインをあしらったジュエリーを生み出し、のちに「カルティエ・スタイル」と呼ばれ世界的な流行を作りました。 以来、カルティエはジュエリーブランドだけにとどまらず、時計メーカーとしても確固たる地位を築いています。